著者: 矢治哲典
イラストレータ: 矢野たくみ
レーベル: ファミ通文庫
明日からの東京出張を前に帰宅の途についていた筈の鈴木正晴(20歳・サラリーマン)は、気がつけばジャングルの中にいた。空手着をまとったクマ・スパルタカスに跨った少女・ピヨリが言うには、ここはマナフという世界で、正晴は勇者なのだという。
「俺はサラリーマンだ!」と叫びつつ、部署の命運がかかった東京出張に戻るため、正晴は滅びかかった世界を救う旅に出る。旅の途中で幼馴染の二条夢見と遭遇したりしながら世界の中心を目指すうち、この世界の秘密に近付いていく……。
ヒロイック・ファンタジーと見せかけて実は古典ファンタジーというオチが秀逸。大人になった元子供が懐かしさと共にあの日々を想い、そして忘れ、巣立っていく、そんなお話。
対象年齢がやや高目という気はしますが、悪くない作品です。