著者: 三雲岳斗
イラストレータ: あいす☆くり~む
レーベル: 徳間デュアル文庫
喫茶店・織葉庵で住み込みアルバイトをしている大学生・松浦宮城の元に、従姉の紙谷観雪が一人の少女を連れて来る。人になれない中学生・川瀬和緒を暫く預かってくれという。渋る宮城だったが従姉には逆らえず、織葉庵の看板娘にしてアンドロイドのなつみさんや、先輩・氷上秋水らと共に和緒の面倒をみることに。
不思議な雰囲気を纏う和緒には無気味な噂がつきまとっていて、それはいつしか宮城の別れ話とも絡んで不可思議な事態を招いていく……。
「M.G.H.」「海底密室」に続く第3のSFミステリーか、と思って読むと、その2作とは毛色の違う、ややライトノベルよりの作品であることが分かります。ミステリー仕立てのファンタジーとでも言いましょうか。いざ推理、という作品でないのが残念というか、手軽というか。
人との接触をひどく怖がる和緒が、なぜかなつみさんだけには懐いたり、変人・秋水の人間臭さ、そして最後にアンドロイドのなつみさんが放つ推理に驚きましょう(笑)。