著者: 尼野ゆたか
イラストレータ: ひじりるか
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
青年クラウスは国家資格たる王国詠唱士を目指していたが、今年も一次試験に落ち、都合5回目となる失意の日々。行き着けのパブで慰められて家に帰る途中雨に降られ、雨宿りの最中、衰弱した美少女を拾ってしまう。エルリーと名乗った金髮の少女と、なりゆきでの同居生活が始まる。
しかし高度な詠唱知識を持つエルリーを狙う影が、クラウスやその周囲に近付いてきており、彼の平凡な日常は終わりを告げつつあった。
2004年に第16回ファンタジア長編小説大賞の佳作に選ばれた作品。気弱な青年クラウスに、尊大なエルリー、乱暴ながら純情なイルミラ、クラウスの生徒で高慢なターヤが想いを寄せて火花を散らしたりしていて、そっちの方ではそこそこ見れるんですが、問題は物語の方で、伏線の貼り方などが今一つ二つ不出来で、最後のクラウスの活躍に唐突感が拭えません。
キャラと配役は美味しいので、今後の研鑚が望まれます。
全5巻、完結。