著者: 田村登正
イラストレータ: 姫心重機
レーベル: 電撃文庫
秘密裏に開発されている戦闘シミュレーションゲーム『アポカリプスへの道(仮)』。それは特殊な薬剤を嚥下することで、完全に仮想世界の軍人として生活することができる、全く斬新なものであった。そのベータテスターとして、高校生、日高勇太郎はハルマゲドンの世界で活躍している。ところが、ゲーム世界で負った傷が、現実世界へ戻った後でも残っていることを知ったことから、彼はゲーム世界の仲間と現実世界で連絡が取れないものかと考え始め、ある思い切った行動を取るのだったが……。
架空世界と現実が入り交じっていくという、まあありがちのプロットではありますが、この紹介文を読んで『ああ、あのパターンの話か』と思ったあなた! たぶんその予想は(少なくともこの巻に関しては)、思いっきり外れてます(笑)。おそらくラストのページを読み終え、ページをめくって「あとがき」の見出しを見たときに、『え? こういう話なの?』と思うことでしょう。作者は続編を書く気満々の様ですし、そうすると続編ではそのありがちな方面へと話が進んでいく様な気がしますが、これはここで終わってしまった方が潔いような気もします。このままで、読後感は悪くないですしね。