著者: 海冬レイジ
イラストレータ: vanilla
レーベル: 富士見ミステリー文庫
札幌西北高校の美人教師・音無素子は、教え子である八幡ひな子の家庭の借金を肩代わりし、返済のために始めた非合法ギャンブルにハマって、今や1,000万の借金を抱え破産寸前。自宅には借金取りが押しかけ、全てを失うのも時間の問題な彼女が最後に頼ったのは、高校の教え子である国定ヒロト。飲酒喫煙不登校の問題児の彼は、実は凄腕のギャンブラーで、授業料1,000万で弟子入りに成功。しかしあちこち引きずられてギャンブル指南を受ける素子先生は、次々と「教え」を破りまくってしまい、八幡ひな子の家を破産させたルーレットギャンブラー・スメラギに勝負を挑むことに。
全てを賭けた最後の大一番、ルーレットの球はどちらに転がるのか――!
第4回富士見ヤングミステリー大賞を受賞した作品だけあって、博打シーンの描写は迫真のもの。音無素子が熱くなって我を忘れて掛け金を注ぎ込んでいく様などは、実体験でも含まれているんじゃないかというほどの見事さ。
ミステリーとしてみたときは、謎解きの性急さなど、けっして巧い作品ではないが、この作品はミステリー風ギャンブラー小説だと思うべきだろう。
しかし昨今のライトノベルにあるまじきページの黒さには圧倒される。
全7巻、完結しています。