著者: 佐々原史緒
イラストレータ: 瑚澄遊智
レーベル: ファミ通文庫
「サウザンド・メイジ」の時代から500年。魔法使い達の黄昏の時代。
ルシティニア共和国で隨一の力を誇る魔宝師ルキウスの弟子トパァズは、ある日王古復権派のテロに巻込まれ、師匠に窮地を救われる。
しかし翌日、何故か師匠は猫になってしまい、彼を救うには伝説の
気付けば途中で山賊野盗や魔法使いの禁忌を取り締まる黒耀守護団が絡み、話はややこしい方向へ……。後に「背徳のトパァズ」と呼ばれる魔法使いの孤軍奮鬪を描く。
「サウザンド・メイジ」シリーズが「第1部完」となってから500年という設定。共通する登場人物もいるわけですが、基本的には不出来ながらも可愛い弟子が、眉目は秀麗ながら人間的には駄目駄目な師匠を人間に戻すべく旅をするお話。ライトノベルらしくキャラクターたちのノリが小気味よい。
しかし作品が背負っているものは結構重たく、巻を追うごとに重みが増していきます。
お互いのことを深く思いやりながら素直になれず近付けない師弟や兄弟、親子、そして極限の選択を迫られる度に傷つく心。幸せになれないキャラもいたけど、明日へ向かう強さのある作品でした。