著者: 都築由浩
イラストレータ: 藤丘ようこ
レーベル: GA文庫
新興住宅地、港ヶ丘に暮らす裕福な家庭に育つ里中昂一に、両親がアンドロイドを買い与えたところから物語は始まる。ミンコージオメティック社製M188Aメイド型アンドロイドは、シャーロットと名付けられ、昂一はシャーロットを姉のように慕うようになる。
しかし3ヶ月後、シャーロットはアンドロイド強盗に襲われて、行方不明になってしまう……。昂一の必死の訴えにも関らず、警察は身動きが取れなかった。
数奇な成り行きから何年もの間、シャーロットは様々な人の元へ流れていった。
これまで都築由浩といえば宇宙SFで危機一髮もの、という定型があったのですが、今作は近未来のアンドロイドもの。作品内のタイムスパンが長すぎて、話が短編集のようになってしまっていて、全体としてぼんやりした作品になってしまっています。最後の危機も今一つ盛り上がらなかったし。
もしかしてこれは高校生アンドロイドエンジニア・昂一くんの活躍を描く次作以降のためのプロローグなんだろうか?
都築作品を読み継いでいる人にはニヤリとさせられる社名なんかが出てくるのはサービスだろう(笑)。