著者: 星野亮
イラストレータ: 後藤なお
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
〈大戦〉によって気候と生態系が激変した地球。そこでは額に紅い第三の瞳を持つ超人類〈ザ・サード〉が宇宙から君臨する世界。君臨すれども統治せず、地上のことは基本的に人間まかせの〈ザ・サード〉支配下の地球は、巨大な砂漠とかつてはいなかった狂暴かつ獰猛な生物が跋扈する危険な世界。
その砂漠で「なんでも屋」を営む少女・火乃香は若いながらも〈
謎めいた雰囲気を持つイクスが火乃香に頼んだ行き先は、〈鋼の谷〉。そこは禁断の地であり、秘密の隠された場所。火乃香はイクスに導かれ、世界の秘密へと接触することに――。
終末世界で超人バトル、な内容の作品ですが、不思議と飽きが来ない、ちょっと変わった味わいがあります。振りまかれた謎や伏線は未回收なものが多いですし、設定的にかなりなんでもありなので、宇宙人、平衡宇宙、時間跳躍、精神支配なんでもこいです。
一方で火乃香の悩みは意外と(?)普通なものが多く、友人関係だったり、恋愛関係だったりと案外等身大。この辺のバランスが、長期に続いている秘訣なのかもしれません。