著者: 瀬尾つかさ
イラストレータ: 菊池政治
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
10年前、圧倒的な戦力で地球を屈伏させた異星人が残していった「ゲーム」。作られた宇宙の中で、3人ずつのプレイヤーの2チームが256隻の艦を操り、極小宇宙の恒星を奪いあう。そして毎年のワールドチャンピオンは宇宙へと招かれ、輩出国にはオーバーテクノロジーが渡される。《ゲーム》は個人の枠組みを越えて、政治をも巻き込んでいく。
チーム《ジュライ》を率いる15才の桟敷原雫は、3年前のワールドチャンピオン、恭介の妹で、兄の後を追いかけていた。かつて兄のメカニックだった門倉聖一と、その従姉妹で天才的プレイヤーの枕井冬湖を得て、小池智香と共に全国大会へと挑む。
よく練られたお話です。異星人によって与えられた《ゲーム》の意味や、暗躍する各国政府や異なる勢力の異星人。衝突するプレイヤー達の意地、メカニックの孤独、友情や愛情と守りたい意志。
そして物語の鍵として提示されるアウターシンガー。白いじくらのうた。
前作のような悲劇の予感がふんぷんして、今から先が楽しみな作品です。
全4巻、無事(?)ハッピーエンドを迎えました。