著者: 深見真
近未来。世界中で「干渉粒子特性能力者」と呼ばれる人々が次々と現れるようになった。
彼らが召還できるものは、何故か拳銃やアサルトライフルといった「銃」ばかり、彼らはそのことから「銃使い」と呼ばれるようになった。
銃の所持が認められていない日本では「銃使い」の存在を認めず、GEA(国家特別銃取締局)と呼ばれる重武装した警察組織によって射殺を含む徹底弾圧が行われ、銃に関する映画や漫画、書籍といったサブカルチャーも取り締まられていた。そんな状況下でミリタリー・マニアである以外はごく普通の高校生である「矢崎竜座」は、ある日学校の教室に乱入してきた「銃使い」の襲撃から偶然「銃使い」となり、GEAに追われる身となる。天性の戦闘センスと銃使いの「セカンドステップ」として現れた「スローモーション」能力によってGEAとの激しい銃撃戦を生き延びた彼は、謎の女「山本山茶花」率いる「銃使い」によるレジスタンス組織「アフリカン・ゲーム・カートリッジズ」と出会う。
一方、GEA所属の女刑事「小島里美」と「楠木飛鳥」の前に「銃使い」が起こした議員暗殺事件が舞い込んでくる。二つの主人公の視点が重なり合うとき、日本社会を揺るがす大陰謀が浮かび上がってくる。
いわゆる「特殊能力バトル」と「ベレッタM92F」「FN P90」「H&K G3」といった実在の銃器が登場し、大量の銃弾が乱れ飛ぶガンファイトは特筆ものですが、荒唐無稽なはずなのに、どこか現実にある閉塞感を感じさせる世界観も素晴らしいです。ガンアクションが好きな人なら、絶対オススメの一冊です。