著者: 築地俊彦
イラストレータ: 駒都え~じ
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
魔法使いを養成するエリート私学・私立葵学園二年B組に在籍する式森和樹は、しかし何の特徴もない高校二年生。というより、むしろ落ちこぼれ。魔法の使用回数は七回。
しかしそんな和樹の所になぜか宮間夕菜が押しかけ女房してきたあたりから人生が狂い始め、彼の遺伝子を狙って三年の財閥令嬢風椿玖里子や一年の剣道少女神城凜が現れ、どたばたしているうちに魔法使用回数を使い切った和樹は灰になって死んでしまった――はずなのに、なぜか幽霊となってしまい、灰を集めて復活したと思ったら、今度はロリでいたずら好きの栗丘舞穂が登場、さらにさらに元クラスメイトの山瀬千早まで争奪戦に参加、愉快(?)なクラスメイトにも囲まれて、学園生活は今日も疾風怒濤。
えーと……冴えない主人公がなぜか女の子に囲まれてモテモテ、という、いわゆる「仮名四文字系」作品の一つです。主人公はたまにかっこいいだけの基本的にはノビ太くんなのですが、奥さん宣言している夕菜を中心に毎巻バイオレンスの嵐が吹き荒れています。
本筋たる長編の方が殆ど放っぽりだし状態で日常編たる短編集が巻を重ね、さらに外伝(?)のメイド編は既に別世界に行ってしまっています。所々覗く作者のディープなミリタリー趣味とかがかなりアレです。
ウケを狙った小説で狙い通りウケを取っているわけですが、作者的にはどうなんだろうと思わなくもないです。
とうとう長編が「外伝」扱いされ、短編集の方が本編ということになったようです。