著者: 小林めぐみ
イラストレータ: 加藤洋之&後藤啓介
レーベル: 富士見ファンタジア文庫
「コンピューター大暴走時代」を経て衰退を続ける銀河連邦。その宇宙でただ一社発展を続けるE・R・Fコーポレーション。その会長令嬢・なつめの飼い猫・ジゼルは、脳を増量して人語を喋れる賢い猫だ。“夏離宮”から一歩も外にでないなつめのために、世界を見て回ろうと、なつめの兄・アスラとともに旅に出る。
旅の中で人に出会い、ロボットに出会い、生体機械に出会い、様々な事件に出くわし巻込まれ、ジゼルは徐々に人とは何か、ロボットとはなにか、そして人語を喋る自分とはなにか、について考えるようになっていく……。
SF作家小林めぐみの初期作品にして傑作。飄々としていながら、それぞれに人生や責任を背負った登場人物達がジゼルと交錯しながら選び取った未来が、またジゼルに次の選択を迫る。悩んだり苦しんだりしながらも、ジゼルは今日も元気です。