著者: 鈴木鈴
イラストレータ: かなたろう。
レーベル: 電撃文庫
「五法」(ヴァニティ)と呼ばれる超能力が存在する世界で普通の高校生活を送る荻原真尋は、幼馴染の御船冬子と共に平穏に暮らしていた。自らが五法の使い手、五法相(ヴァニスタ)であることを隠しながら。ところがそんなある日、五法相の団体である諮問機関(カウンシル)から日本で起きた事件の捜査への協力を申し込まれる。てっきり断ると思っていた真尋が、エージェントであるという白髮の少女に協力することになって冬子は気が気じゃない……。
恋と捜査(追跡)と陰謀が巧い感じで配分されていて、取っ付き難い設定なのにきちんと読ませる辺り、筆力の確かさが光っています。特にこれまでの鈴木鈴作品よりもラブコメ成分が多目なのは、物語の当りを和らげていて良いのですが、果たして次巻以降、このまま進むんでしょうか。今回の結末も、ハッピーエンドというには色々問題があるまとめ方だったように(端から見ると)思えますし。